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M3_2009秋

asriel 永遠に捧げし凍てつく眠り
1000

しらゆりの会 roses

1000

STELS806 王女さまの秘密 Reprisal Edition

1000

STELS806 Queen's Quest
1500

project ALCA Rudbeckia-Mother's Prayer-

1500

CLOSED/UNDERGROUND 片霧式*妄想ルンバ
1000

binaria ALBA
500

幼蚕文庫 ひとり芝居

1200

Enfance fini ラヴニル・ディル
1000
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0082

手にはやはり不破の上着があったし、クリーニングに出そうにも時間がない。しかし何かお詫びの品でもあった方がいいのかもしれない。不破には全く覚えがないだろうが、遠花は代え難いものを一時的ではあるが手にした。なかなか容易くないものの為、すぐにまた無くなってしまう。
叶えたい願いがあるのならば、遠花自身が動き、自分の言葉で伝えなければいけない。例え正確なところを理解でき無かろうが、そこまでを気にはしない。
手を握り込み、机の上の朝ご飯を冷蔵庫にしまう。とにかく、意志が固まったのであれば出来るだけ早く動くに限る。
眠気はない。清々しい感触は、いったいいつぶりだったのか。すでに覚えてはいない。
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0077

起きた遠花が時計を見ると、宵は過ぎ去っていた。小鳥もなりをひそめ、高い太陽が大雑把ではあるが時間を教えてくれる。ぎょっとして制服の近くににじり寄り、手を伸ばす。久しぶりの長い睡眠に、体が拒否反応でも起こしたのか、頭が割れるように痛い。
若菜の姿を探すが、再び太陽を見て諦めた。もうすでに授業中だ。大遅刻に違いない。起こしてくれなかった家族を内心責めながら、手早く制服に手を通す。あまりにも深い睡眠に、妨げられなかったのかもしれない。
授業をさぼりはしても毎日出かけていた遠花はあまりの日差しの強さに挫けかけ、けれど不破に返さなければならないものがある。
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0076

人は誇りを捨てた。
何故なら、人は他者を貶めなければ存在を肯定できない。
人は助けを笑う。
何故なら、今日の敵は明日の敵だと知るからである。
人は血縁を捨てる。
何故なら、生まれなど人の能力の差を証明するものではない。
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0073

傷ついた顔をしたのはみた。泣きそうなのを必死で我慢しているのも知った。だからといって、眠りに逃げるとは思わなかった。
若菜から見て、遠花は強い人間だった。だから、常に目標にしてきた。けれど、ある時遠花に言われたことがある。強さと感じるものは若菜が無意識に遠花に求めたものだ、と。そして否定するつもりはないと笑う。
今にして思えば、わからないわけでもない。遠花は弱いからこそ眠れないし、弱いから切り捨てられない。弱くなったから人に切り捨てられたら起きてこないことも考えられる。遠花の眠りは逃避でしかなく、体を休めるという行為を憎んでさえいるようだ。そして、夜は憎しみが増幅する。
実はその様子がなにより楽しく、優越を抱いていたと言うことを理解したのはたった今だった。救いを求め、助けない相手を切り捨て縋る。
遠花がこれほど露骨に相手を拒絶することは今まで無かったため、要するにあの上着の男に影響され引きずられている。
変わってしまった遠花だが、変わったという認識さえ間違いなのかもしれない。
若菜の言葉を聞かない遠花にこれ以上の働きかけは無駄だろう。食器を洗い、遠花のものもついでに片づけた上でリビングを去った。
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